2016年02月29日

閉鎖病棟

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新潮社より¥637で発売中

<あらすじ>
とある精神科病棟。重い過去を引きずり、家族や世間から疎まれ遠ざけられながらも、明るく生きようとする患者たち。その日常を破ったのは、ある殺人事件だった……。彼を犯行へと駆り立てたものは何か? その理由を知る者たちは――。現役精神科医の作者が、病院の内部を患者の視点から描く。淡々としつつ優しさに溢れる語り口、感涙を誘う結末が絶賛を浴びた。山本周五郎賞受賞作。
新潮社HPより引用)


初めての読む作家さんです。
あらすじにも紹介がある通り、現役の精神科医なんですね。

お話も精神科が舞台です。
少し重たいせいか、読むペースが落ちてしまいました。

事件性はあるものの、描かれている日常は現場そのものなんでしょうね。
精神科にはさまざまな患者さんがいて、それぞれに抱えている問題も異なります。

最初はとっつきにくいなぁと思っていました。
殺人事件なんていつ起こるの?と思いながら読み進めて行くと、ようやく中盤を過ぎたころに起こり、さらに悲しい展開に・・・。

事件の展開にも涙しましたが、やはり印象的なのは普段の病棟の生活でした。
皆さんが生きている日常の中にささやかな幸せを見つけていて、毎日を素直に生きていて・・・。
毎日を楽しむには心のゆとりが必要なのかもしれません。
posted by みづき at 19:46| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年02月19日

コールドゲーム

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新潮社より¥724で発売中

<あらすじ>
『ぼくのたいせつなものをうばった君へ 君のたいせつなものをうばいに行くよ』突然の脅迫メールが、中学時代のイジメへの復讐を告げた。

高3の夏、復讐は突然はじまった。中2時代のクラスメートが、一人また一人と襲われていく……。犯行予告からトロ吉が浮び上がる。4年前、クラス中のイジメの標的だったトロ吉こと廣吉。だが、転校したトロ吉の行方は誰も知らなかった。光也たち有志は、「北中防衛隊」をつくり、トロ吉を捜しはじめるのだが――。やるせない真実、驚愕の結末。高3の終らない夏休みを描く青春ミステリ。

新潮社HPより引用)


久しぶりの荻原作品です。

私の印象では、「メリーゴーランド」「神様からひとの言」のような日常を面白く描いていて作品と「噂」のような事件性のお話しとどちらのジャンルでも楽しませてくれる作家さんです。

今回は後者の事件性のあるお話。

しかもテーマはいじめ。
ちょっと重たいです。

そして、誰にでも心当たりはある内容。
読んでいて心が痛くなります。

無視やからかいなど、いじめているという意識が低いものでも、された側にとっては立派ないじめ。
傍観していてもいじめ。

途中、かつてのクラスメイトがようやく自分の罪の重さに気付きます。

でも、いじめを受けた側にとっては、大きな傷となって残っているんですよね。

若さゆえの痛々しさもリアルに描かれています。
ハードボイルドなお話しも出てきますが、最後は悲しい結末が待っていました。
もっとスカッと終わってくれるものかと思いきや、読後感はよくありません。

それは作家さんの力不足というよりも、テーマの重さゆえかと思います。
posted by みづき at 15:54| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年02月10日

時生

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講談社より¥831で発売中

<あらすじ>
「あの子に訊きたい。生まれてきてよかった?」
悩む妻に夫が語る、過去からの伝言

不治の病を患う息子に最期のときが訪れつつあるとき、宮本拓実は妻に、20年以上前に出会った少年との想い出を語りはじめる。どうしようもない若者だった拓実は、「トキオ」と名乗る少年と共に、謎を残して消えた恋人・千鶴の行方を追った――。過去、現在、未来が交錯するベストセラー作家の集大成作品。

講談社HPより引用)


久しぶりの東野作品

読み進めて行って・・・。
あれ?思っていた展開と違う。

子供がタイムスリップして若き頃の父親に出会うお話しです。
よくあるシチュエーションですね。

ぐうたらな若き父親の姿を見て、心を入れ替えさせるのかと思いきや。
ハードボイルドな展開に驚き。

それが後半で急展開。
一気に涙腺が緩みました。

なのに、涙で終わらないのがいいところ。
最後の一行でピシッと締めてくれました。

本当に一冊の中でいろんな感情が出てきます。
posted by みづき at 15:00| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年02月09日

オデッセイ

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原題:THE MARTIAN

2015年度作品/アメリカ

第73回ゴールデン・グローブ 作品賞(コメディ/ミュージカル)受賞
               男優賞(コメディ/ミュージカル)受賞(マット・デイモン)


<監督>
リドリー・スコット

<出演>
マット・デイモン
ジェシカ・チャステイン
クリステン・ウィグ
ジェフ・ダニエルズ(「LOOPER/ルーパー」
マイケル・ペーニャ
ケイト・マーラ
ショーン・ビーン
セバスチャン・スタン
アクセル・ヘニー
キウェテル・イジョフォー
ベネディクト・ウォン(「ハミングバード」など)
マッケンジー・デイヴィス
ドナルド・グローヴァー
ニック・モハメッド
チェン・シュー
エディ・コー
エンゾ・シレンティ
ジョナサン・アリス
ナオミ・スコッ

<あらすじ>
宇宙飛行士として火星で探査中のマーク達は突然の嵐に巻き込まれてしまう。
急いで火星から脱出を図ろうとするも、マークに飛んできたアンテナが直撃する。
ほかの乗務員たちはマークが亡くなってしまったと思い、泣く泣く火星を飛び立つ。
しかし、マークは生存しており、たった一人火星に取り残されてしまったのだった・・・。

<おすすめ度>
★★★★☆


宇宙ものって、苦手なんですよね。
最近で言うと「ゼロ・グラビティ」の印象が強くて、これも面白くなさそうだなぁと。

事前情報を何も仕入れずに観に行ったのですが、意外に良かったです

原作も面白そうなので、読んでみようかと思っています。

まず、ジェネレーション・ギャップというか、時代も変わったんだなぁと思わされたのが、いきなり頭から火星のシーンから始まります。
何の説明もなく、火星で探査しています。

宇宙に行くことを一大スケールで描いていた時代は終わったんですね。
もう、火星での有人探査は当たり前の時代なんですね。
そこから、いきなり驚かされました。

そして、いきなり火星での放置プレー。

私なら速攻死を覚悟します。
なのに、マークは生き延びる方法を模索します。

しかも、次に火星に有人探査が訪れるのは4年後。
お先真っ暗ですよ、普通は。

やはり、宇宙飛行士になれる人は、考え方からして違うんでしょうね。

一生懸命に生きようとする人、一生懸命に救おうとする人達。
両方から描かれていて、あきらめない必死な姿は胸を打ちます。

単純な火星での生活もユーモアを交えていて、面白く描かれています。
観れて良かったです
posted by みづき at 15:27| Comment(0) | TrackBack(1) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年02月01日

幻夜

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集英社より¥1036で発売中

<あらすじ>
幻の夜を行く男と女。息もつかせぬ傑作長編!
阪神淡路大震災の直後に、出会った男と女。男が犯した殺人を知る女は、彼を徹底的に利用し、野心を実現していく。だが彼女にも恐るべき秘密が――。名作『白夜行』の興奮が再び!(解説/黒川博行)

集英社HPより引用)


「白夜行」の続編という触れ込みで読んでみた作品。
「白夜行」を読んでから数年が経過しているのですが、最後まで読んでもどこが続編かわからない始末(笑)
解説を読んですべてを理解しました。

その時の恐ろしさといったら・・・。
自分の鈍感さにも驚きましたが(笑)

779ページもあるのですが、あっという間に読破しました。

すべての謎を明かそうとしないのがいいですね。
想像しながら、いい余韻に浸れます。

美冬の悪女っぷりはどんどんエスカレートしていき、もはやモンスター。
同情すらできないかも。
どこでこんない性悪女に成り替わってしまったのでしょう?
生い立ちや環境がそうさせたのでしょうか?

恵まれた美貌やキレる頭をもっと他に活かせたはずなのに・・・と悔やまれて仕方ありません。

ここまで自分の思い通りに操れてしまうと、最終的には何が目標なんだかわからなくなってきます。
生きるために罪を犯していたはずが、だんだんと罪悪感もなくなり、平然と罪を重ねていく姿が恐ろしい。

もう1度白夜行が読みたくなりました。
posted by みづき at 11:29| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする