2017年06月23日

グロテスク(下)

img_b171d1c439a5ec213f4a96875a380388190585[1].jpg

文芸春秋より¥723で発売中

第31回(2003年)泉鏡花賞受賞

<あらすじ>
就職先の一流企業でも挫折感を味わった和恵は、夜の女として渋谷の街角に立つようになる。そこでひたすらに男を求め続けて娼婦に身を落としたユリコと再会する。「今に怪物を愛でる男が現れる。きっと、そいつはあたしたちを殺すわよ」。“怪物”へと変貌し、輝きを放ちながら破滅へと突き進む、女たちの魂の軌跡。解説・斎藤美奈子
文芸春秋HPより引用)


下巻に入ってグロさは増していくものの、読む手は止められませんでした。

ユリコと和恵が娼婦になっていった過程がもっと語られているのかと思っていたのですが・・・。

美貌や頭脳や肩書がどれだけ素晴らしくても誰も幸せで満足できていないというのが皮肉ですね。
何かしら人より抜きんでているということは生きづらいのかもしれません。

こちらのお話ではユリコを殺した犯人は自白しています。
また、その犯人の半生がすさまじい。
その章を読んでいる間は自分は一体何の本を読んでいるのかを忘れ去れるほどに圧倒的な筆量でした。

すべての章は、インタビューなり日記なり手記など独白で構成されているので、意見の相違があったりと真相までは分かりません。

特に和恵の日記は読んでいて痛ましかったです。
ただ、彼女の気持ちは少しは理解できました。
ここに出てくる女性で誰よりも1番私自身に近いのは和恵でした。

転落していく人生を自覚していただろうし、それを止めるには死しかないとわかっていたはず。
だからこの2人の死が悲しいとは思えませんでした。
むしろ、それ以上の苦しみを味合わずに済んでよかったとさえ思います。

読むのにはかなりエネルギーを必要とする作品でした。
posted by みづき at 19:19| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年06月18日

64−ロクヨン−前編

jacket_photo-w500[1].jpg

TCエンタテインメントより¥3780で発売中

2016年度作品/日本

<監督>
瀬々敬久(「アントキノイノチ」など)

<原作>
横山秀夫

<出演>
佐藤浩市
綾野剛(「怒り」など)
榮倉奈々
夏川結衣
窪田正孝(「予告犯」など)
金井勇太(「永遠の0(ゼロ)」など)
筒井道隆
鶴田真由
赤井英和
菅田俊
小澤征悦
菅原大吉(「少女」など)
坂口健太郎(「残穢【ざんえ】 −住んではいけない部屋−」、「俺物語!!」など)
宇野祥平
菜葉菜
嶋田久作(「シン・ゴジラ」など)
三浦誠己
黒川芽以
小橋めぐみ(「踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望」など)
芳根京子
萩原みのり
瑛太
椎名桔平
滝藤賢一(「SCOOP!」「残穢【ざんえ】 −住んではいけない部屋−」など)
烏丸せつこ
山崎ハコ(「グラスホッパー」)
諏訪太朗(「シン・ゴジラ」など)
大久保鷹
奥田瑛二
仲村トオル
吉岡秀隆(「グラスホッパー」など)
永瀬正敏
三浦友和

<あらすじ>
昭和64年1月5日。 関東近県で漬物工場を営む雨宮芳男の娘・翔子が誘拐された。犯人はサトウと名乗り、身代金要求額は2000万円。翌日、犯人は金をスーツケースに入れ、雨宮に車で運ぶことを指示した。喫茶店や美容室など様々な店の電話を次の指令の受け取り場所に指定して各所を移動させ、警察の捜査班を翻弄する。深夜、郊外の橋から身代金の入ったスーツケースは指示に従って川に投下され、やがて回収されたスーツケースから金は紛失していた。後日、被害者の少女も死体となって発見される。 昭和天皇の崩御により、昭和64年はたった7日間で終わった。そして迷宮入りとなったこの少女誘拐殺人事件は、県警内部で「64(ロクヨン)」と呼ばれることになった。 平成14年12月。 県警で、かつて刑事部の刑事として「ロクヨン」の捜査にも加わっていた三上義信は、今は警務部秘書課広報室広報官のポストにあった。現在、広報室はある交通事故の加害者を匿名で発表したため、県警記者クラブからの突き上げにあっていた。その急先鋒は東洋新聞キャップの秋川。三上を始めとする、諏訪、美雲らの広報室スタッフは、事態を穏便に収めようとするが、記者たちは加害者の実名発表を要求して譲らない。そんな中、三上に新たな難題が持ち上がる。1週間後に全国の警察を統括する警察庁長官が、時効が1年後に迫った「ロクヨン」担当捜査員を激励するために視察に訪れるというのだ。その時長官は被害者である雨宮宅を慰問する予定なので、雨宮の了解を取り付けろという命令が下される。三上は「ロクヨン」事件以来、10数年ぶりに雨宮の漬物工場を訪れる。事件後、妻を病気で亡くし、老け込んでしまった雨宮の姿に愕然とする三上。彼が長官視察の件を切り出すと、雨宮はその申し出を断った。 さらに記者クラブとの関係も最悪の状態となっていた。例の匿名問題が、記者クラブ全員で県警本部長に抗議文を持っていくまでに話がこじれてしまったのだ。記者クラブは実名発表されない限り、長官視察の取材もボイコットすると強硬姿勢に出る。八方塞がりとなった三上は、まずは雨宮の態度を軟化させる手がかりをつかむため、捜査一課長の松岡勝俊をはじめ、かつて「ロクヨン」捜査に関わった人々を訪ねて回る。 そして、三上が複雑に絡み合う事態の収拾に奔走しながら迎えた、長官視察の前日。県内で少女誘拐事件が発生する。サトウと名乗った犯人は、身代金2000万円をスーツケースに入れ、父親に車で運ぶことを要求した。14年前の「ロクヨン」とまったく同じように―

TCエンタテインメントHPより引用)

<おすすめ度>
★★★★☆


原作は未読です。
が、すでに読みたくなっています。

豪華キャストですね。
前編はあらすじの通り。
同様の誘拐事件が起こったところまでです。
せっかくいいところだったのに・・・というところで終わってしまいました。

警察の内部の対立、広報部と新聞社の対立、そして三上自身の家庭内の問題。
様々な問題を抱えながらどのように収束させていくのか後半が楽しみです。

まだ、後半のDVD手元にないけど。
posted by みづき at 04:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年06月17日

グロテスク(上)

img_36836ed3a04c4f59a00c5e8db6703cff189454[2].jpg

文芸春秋より¥691で発売中

第31回(2003年)泉鏡花賞受賞

<あらすじ>
光り輝く、夜のあたしを見てくれ

名門女子高生から一流企業のOLとなっても、彼女が求め続けたものは? 女たちの孤独な闘いを描いた最高傑作、ついに文庫化!

名門Q女子高に渦巻く女子高生たちの悪意と欺瞞。「ここは嫌らしいほどの階級社会なのよ」。悪魔的な美貌を持つニンフォマニアのユリコ、競争心をむき出しにし、孤立する途中入学組の和恵。ユリコの姉である“わたし”は二人を激しく憎み、陥れようとする。圧倒的な筆致で現代女性の生を描ききった、桐野文学の金字塔。

文芸春秋HPより引用)


上巻だけで397ページもある超大作です。

実際の事件をモチーフに女性のヒエラルキーを描いた作品です。

主に出てくるのは主人公と圧倒的な美を持つ妹のユリコ、それに主人公の同級生の和恵の3人。
章によって語り手が変わり、上巻では学生時代の話が中心です。

私は女子高でもなければ女兄弟もいないので、異世界といったところ。
すべてのエネルギーの源は憎悪。
こんなにも悪意に満ちた世界があるのかと驚かされるばかりです。

妹のユリコと常に比較対象とされてきたコンプレックスの塊の姉。
高校生ですでに達観したかのような周囲の見下し方がすごい。
普通、高校時代は「いじわる」程度の悪で、意図的に相手を貶めてやろうという策略も全くない可愛いもののはず。

誰にも共感できないけど、分かる部分もあり、やはり女性特有の感情なのかと思い知らされたりもしました。

下巻ではユリコと和恵の転落人生と死に至るまでが描かれているはず。
気になります。
posted by みづき at 02:23| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年06月02日

人間失格

200703000052[1].jpg

角川書店より¥309で発売中

<あらすじ>
自己の生涯を極限までに作品に昇華させた太宰文学の代表作

無頼の生活に明け暮れた太宰自身の苦悩を描く内的自叙伝であり、太宰文学の代表作である「人間失格」と、家族の幸福を願いながら、自らの手で崩壊させる苦悩を描き、命日の由来にもなった「桜桃」を収録。

角川書店HPより引用)


「恥の多い生涯を送って来ました。」の名分で知られる太宰治の代表作。
ですが、今まで読む機会がありませんでした。
初の太宰作品です

自分の弱さを隠すために、人前では他人を演じる主人公。
確かに立派な人生ではないのかも知れませんが、人間臭さはとても感じました。

これは太宰自身の人生を投影したものということを読む前から知っていたせいもあって、どうしても太宰だとしか思えませんでした。

感受性が豊かで傷つきやすい繊細な人だったんだろうなぁという印象。

作品としては終始暗〜い雰囲気が漂っていて、面白さまではわかりませんでした。
もう少し大人になってから読んだら感じ方も変わるのかな?
posted by みづき at 19:54| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする