2017年08月20日

エイジ

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新潮社より¥724で発売中

第12回山本周五郎賞受賞

<あらすじ>
14歳。中学生。同級生が「少年A」になった。キツいことだらけのチュー坊生活だけど……負けてらんねーよ。

ぼくの名前はエイジ。東京郊外・桜ヶ丘ニュータウンにある中学の二年生。その夏、町には連続通り魔事件が発生して、犯行は次第にエスカレートし、ついに捕まった犯人は、同級生だった――。その日から、何かがわからなくなった。ぼくもいつか「キレて」しまうんだろうか?……家族や友だち、好きになった女子への思いに揺れながら成長する少年のリアルな日常。山本周五郎賞受賞作。



またまた重松清さん。

「クラスメイトが通り魔」というショッキングな内容であることを知りながら読み始めていきましたが、事件はなかなか起こらず、中盤手前からやっと事件のお話しになります。

なぜ14歳の少年が通り魔を起こしたのかということに焦点をおいているわけではなく、たまたまクラスメイトだったエイジ少年の目を通して事件が描かれています。

読んでいて、一時期頻発した未成年による犯行を思いだしました。
私も当時同じ年齢だったので、ひとくくりにされることに反発していたのを覚えています。

少し大人っぽい気もするけれど、14歳という大人と子供の間の微妙な年齢の心境をうまく描いていると思います。

「キレる」の定義を重病人のチューブに例えて、うまく説明しているなぁと思いました。
他人にキレたことはないですが、きっとそういう感情なんでしょうね。

ただ、被害者が負った心の傷に比べて加害者少年の社会復帰が早すぎるのは何とも言えない気持ちになりました。
posted by みづき at 21:20| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月07日

黄色い目の魚

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新潮社より¥767で発売中

<あらすじ>
ひとりでは見えなかったこと、ふたりだと少しだけ見えてくる。だから今は一緒にいたいんだ。──16歳のふたり、かけがえのない物語。

海辺の高校で、同級生として二人は出会う。周囲と溶け合わずイラストレーターの叔父だけに心を許している村田みのり。絵を描くのが好きな木島悟は、美術の授業でデッサンして以来、気がつくとみのりの表情を追っている。友情でもなく恋愛でもない、名づけようのない強く真直ぐな想いが、二人の間に生まれて――。16歳というもどかしく切ない季節を、波音が浚ってゆく。青春小説の傑作。

新潮社HPより引用)


初読みの作家さんです。

それぞれの幼少期のエピソードから惹かれていき、この二人はどうなるの?と思ったら、無事に高校で巡り会えました(笑)

高校生たちの葛藤が描かれた甘酸っぱい青春小説です。
同年代の頃に読むべきでしたね。
そしたら刺激を受けて私自身も変われたかもしれません。

私なら流されそうな状況でも、しっかりと自分を持って対処している姿がたくましかったです。
舞台が海辺の街ということもあって、余計に爽やかさが目立っていました。
posted by みづき at 20:41| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年07月26日

センセイの鞄

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文芸春秋より¥583で発売中

第37回(2001年)谷崎潤一郎賞

<あらすじ>
あわあわと、そして色濃く流れゆく大人の愛の日々

高校の先生と飲み屋で十数年ぶりに再会したツキコさん。七十代のセンセイとの淡き恋を描く、谷崎賞受賞のベストセラーの文庫化

駅前の居酒屋で高校の恩師と十数年ぶりに再会したツキコさんは、以来、憎まれ口をたたき合いながらセンセイと肴をつつき、酒をたしなみ、キノコ狩や花見、あるいは島へと出かけた。歳の差を超え、せつない心をたがいにかかえつつ流れてゆく、センセイと私の、ゆったりとした日々。谷崎潤一郎賞を受賞した名作。解説・木田元

文芸春秋HPより引用)


思っていたのと違〜う

積読本の中に埋もれていたので何に惹かれて読もうと思ったかははるか昔のことなので記憶にないのですが、タイトルから察するに女子高生が先生に恋する淡い初恋物語だとばかり思っていました。

が、全然違っていました。

が、まず年齢が違う。
高校を卒業してから十数年ぶりの再会で、妙齢の女性と70代の高校の恩師。
しかも酒を酌み交わしながら進んでいくお話。

そしてプラトニックじゃな〜い。
二人のゆっくりと流れていく時間が心地良くて読んでいたのに、いつの間にか恋愛関係に・・・。

お話しの流れやセンセイの言葉や最後の締めくくり方は好きなんです。
が、実写を想像できないし、したくない。

私ももう少し大人になれば(←すでにツキコさんとそう年齢の違わないおばさんですが)、良さが分かるのでしょうか?
posted by みづき at 16:48| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年07月18日

クラインの壺

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新潮社より¥680で発売中

<あらすじ>
ゲームブックの原作募集に応募したことがきっかけでヴァーチャルリアリティ・システム『クライン2』の制作に関わることになった青年、上杉。アルバイト雑誌を見てやって来た少女、高石梨紗とともに、謎につつまれた研究所でゲーマーとなって仮想現実の世界へ入り込むことになった。ところが、二人がゲームだと信じていたそのシステムの実態は……。現実が歪み虚構が交錯する恐怖!
新潮社HPより引用)


30年近く前の作品ですが、何の違和感もなく読むことができます。
と言うより、描かれている内容は今話題のVR。
その構想がすでに30年も前から出来上がっていたことの方が驚きです。

当時読んだ人からは想像できたのでしょうか?
今は当たり前のように受け入れてしまいますが、かなり先を行ってた内容だったんですね。

冒頭、契約書が見せられ、上杉の独白から始まります。
自分は騙されているという内容で、それまでの回想シーンへ飛びます。

読み手はこの契約は詐欺だという暗示がかかっているので、素直に文面を受け入れられず疑いながら読み進めることになります。
矛盾点は出てくるけど、どうなっているのか分からないもやもやのまま真相へ。

なるほど〜と思うのものの、オチの捉え方が分からず、まだもやもやしています(笑)
posted by みづき at 20:58| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年07月10日

パイロットフィッシュ

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角川書店より¥514で発売中

第23回( 2002年)吉川英治文学新人賞受賞

<あらすじ>
かつての恋人から19年ぶりにかかってきた一本の電話。アダルト雑誌の編集長を務める山崎がこれまでに出会い、印象的な言葉を残して去っていった人々を追想しながら、優しさの限りない力を描いた青春小説。
角川書店HPより引用)


初読みの作家さんです。

裏表紙には、
人は、一度巡り合った人と二度と別れることはできない−。
19年ぶりにかかってきた、かつての恋人からの1本の電話。彼女との日々が記憶の湖の底から浮かび上がる。世話になったバーのバスター、かつての上司だった編集長や同僚らの印象的な姿、言葉を交錯させながら、出会いと別れのせつなさと、人間が生み出す感情の永遠を、透明感あふれる文体で繊細に綴った、至高のロングセラー青春小説。
とあります。

きれいな文章でサラサラと流れるように読めます。

青春小説とあるのに、主人公の仕事がエロ本の編集者で風俗嬢が出てきたりと思っていた爽やかさとは違いました。

急にお話が過去に飛んだりするので、理解するのに時間がかかりましたが、全体的に透明感のあるお話でした。

ただ、好きかと聞かれるとそうでもないです。

過去に出会った人々との思い出や影響で今の自分があるというのは理解できますが、過去の自分の発言に囚われ続けるかな?と少し疑問に。
記憶は自分勝手にいいように解釈して歪んで残っていくものだと思っているので、この主人公には生きづらいなと感じました。

この作家さんが聖の青春も書かれてるんですね。
気になってる作品です。

取りあえずこの続編を読むかは考えます。
posted by みづき at 08:42| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年07月05日

虹を操る少年

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講談社より¥691で発売中

<あらすじ>
「光にメロディがあるの?」「あるさ。みんな、そのことに気づいていないだけさ」。“光”を“演奏”することでメッセージを発信する天才高校生・光瑠。彼の「光楽」に、感応し集う若者たち。しかし、その力の大きさを知った大人たちの魔の手が忍び寄る。新次元コミュニケーションをめぐる傑作長編ミステリ。
講談社HPより引用)


久しぶりの東野作品です。
ミステリーではなくファンタジー要素が大きい内容でした。

非現実的なお話しでしたが、リアリティも感じられ集中して読むことができました。

「光楽」という新たなジャンルでしたが、一度見てみたいものです。
音ではなく光という発想が面白いです。
太古の昔からあったという光瑠の話にもなんだか魅せられました。

ただ、なぜ熱中するのが主に若者なのか、中毒性があるのかの説明が足りなかったように思います。

光の話かと思いきや、人間の進化のお話しにまで展開し、さすが東野さんは造詣が深いなぁと感心しっぱなしでした。

終わり方が少し不自然というか突然だったので、もう少し続きが読みたかったです。
posted by みづき at 01:42| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年06月23日

グロテスク(下)

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文芸春秋より¥723で発売中

第31回(2003年)泉鏡花賞受賞

<あらすじ>
就職先の一流企業でも挫折感を味わった和恵は、夜の女として渋谷の街角に立つようになる。そこでひたすらに男を求め続けて娼婦に身を落としたユリコと再会する。「今に怪物を愛でる男が現れる。きっと、そいつはあたしたちを殺すわよ」。“怪物”へと変貌し、輝きを放ちながら破滅へと突き進む、女たちの魂の軌跡。解説・斎藤美奈子
文芸春秋HPより引用)


下巻に入ってグロさは増していくものの、読む手は止められませんでした。

ユリコと和恵が娼婦になっていった過程がもっと語られているのかと思っていたのですが・・・。

美貌や頭脳や肩書がどれだけ素晴らしくても誰も幸せで満足できていないというのが皮肉ですね。
何かしら人より抜きんでているということは生きづらいのかもしれません。

こちらのお話ではユリコを殺した犯人は自白しています。
また、その犯人の半生がすさまじい。
その章を読んでいる間は自分は一体何の本を読んでいるのかを忘れ去れるほどに圧倒的な筆量でした。

すべての章は、インタビューなり日記なり手記など独白で構成されているので、意見の相違があったりと真相までは分かりません。

特に和恵の日記は読んでいて痛ましかったです。
ただ、彼女の気持ちは少しは理解できました。
ここに出てくる女性で誰よりも1番私自身に近いのは和恵でした。

転落していく人生を自覚していただろうし、それを止めるには死しかないとわかっていたはず。
だからこの2人の死が悲しいとは思えませんでした。
むしろ、それ以上の苦しみを味合わずに済んでよかったとさえ思います。

読むのにはかなりエネルギーを必要とする作品でした。
posted by みづき at 19:19| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年06月17日

グロテスク(上)

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文芸春秋より¥691で発売中

第31回(2003年)泉鏡花賞受賞

<あらすじ>
光り輝く、夜のあたしを見てくれ

名門女子高生から一流企業のOLとなっても、彼女が求め続けたものは? 女たちの孤独な闘いを描いた最高傑作、ついに文庫化!

名門Q女子高に渦巻く女子高生たちの悪意と欺瞞。「ここは嫌らしいほどの階級社会なのよ」。悪魔的な美貌を持つニンフォマニアのユリコ、競争心をむき出しにし、孤立する途中入学組の和恵。ユリコの姉である“わたし”は二人を激しく憎み、陥れようとする。圧倒的な筆致で現代女性の生を描ききった、桐野文学の金字塔。

文芸春秋HPより引用)


上巻だけで397ページもある超大作です。

実際の事件をモチーフに女性のヒエラルキーを描いた作品です。

主に出てくるのは主人公と圧倒的な美を持つ妹のユリコ、それに主人公の同級生の和恵の3人。
章によって語り手が変わり、上巻では学生時代の話が中心です。

私は女子高でもなければ女兄弟もいないので、異世界といったところ。
すべてのエネルギーの源は憎悪。
こんなにも悪意に満ちた世界があるのかと驚かされるばかりです。

妹のユリコと常に比較対象とされてきたコンプレックスの塊の姉。
高校生ですでに達観したかのような周囲の見下し方がすごい。
普通、高校時代は「いじわる」程度の悪で、意図的に相手を貶めてやろうという策略も全くない可愛いもののはず。

誰にも共感できないけど、分かる部分もあり、やはり女性特有の感情なのかと思い知らされたりもしました。

下巻ではユリコと和恵の転落人生と死に至るまでが描かれているはず。
気になります。
posted by みづき at 02:23| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年06月02日

人間失格

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角川書店より¥309で発売中

<あらすじ>
自己の生涯を極限までに作品に昇華させた太宰文学の代表作

無頼の生活に明け暮れた太宰自身の苦悩を描く内的自叙伝であり、太宰文学の代表作である「人間失格」と、家族の幸福を願いながら、自らの手で崩壊させる苦悩を描き、命日の由来にもなった「桜桃」を収録。

角川書店HPより引用)


「恥の多い生涯を送って来ました。」の名分で知られる太宰治の代表作。
ですが、今まで読む機会がありませんでした。
初の太宰作品です

自分の弱さを隠すために、人前では他人を演じる主人公。
確かに立派な人生ではないのかも知れませんが、人間臭さはとても感じました。

これは太宰自身の人生を投影したものということを読む前から知っていたせいもあって、どうしても太宰だとしか思えませんでした。

感受性が豊かで傷つきやすい繊細な人だったんだろうなぁという印象。

作品としては終始暗〜い雰囲気が漂っていて、面白さまではわかりませんでした。
もう少し大人になってから読んだら感じ方も変わるのかな?
posted by みづき at 19:54| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月21日

ALONE TOGETHER

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角川書店より¥555で発売中

<あらすじ>
孤独な魂が共鳴する時、物語は始まる――。

「私が殺した女性の、娘を守って欲しいのです」。3年前に医大を辞めた僕に、教授が切り出した突然の依頼。それが物語の始まりだった――。人と人はどこまで分かりあえるのか? 瑞々しさに満ちた長編小説。

角川書店HPより引用)


初読みの作家さん・・・じゃなかった。

271ページと長くはないのですが、読み進めるのに時間がかかりました。

主人公が持つ特殊能力についての言及が少なかったので、理解できぬまま終わってしまいました。
人とシンクロすることで心のうちを知ることができるのですが、決してそれは幸せではないということを伝えたいのだということはわかります。
柳瀬自身の家族を失った経緯などを詳しく厚みを持って描けば、サクラとの関わり合いも面白くなったんじゃないかと思います。

特殊能力ゆえか柳瀬が21歳とは思えませんでした。
医学部に入るも自分の知りたかった脳神経学の分野での問いに、答えがないとわかるとあっさりと退学。
どこか達観したところがあって好きにはなれませんでした。
posted by みづき at 01:38| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月26日

きよしこ

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新潮社より¥562で発売中

<あらすじ>
君はだめになんかなっていない。ひとりぼっちじゃない。それを忘れないで。

少年は、ひとりぼっちだった。名前はきよし。どこにでもいる少年。転校生。言いたいことがいつも言えずに、悔しかった。思ったことを何でも話せる友だちが欲しかった。そんな友だちは夢の中の世界にしかいないことを知っていたけど。ある年の聖夜に出会ったふしぎな「きよしこ」は少年に言った。伝わるよ、きっと──。大切なことを言えなかったすべての人に捧げたい珠玉の少年小説。

新潮社HPより引用)


重松作品が続いております。

こちらは、吃音に悩む少年が、親の都合で転校を繰り返した中で出会っていく人たちとの交流を描いた連作短編集です。
小学生の頃は吃音であることをからかわれることに悩み、やがて成長すると今度は周囲の気づかいに悩んでいきます。

決してハッピーなお話しばかりではないのですが、少年が自分の力で一歩ずつ歩んでいく力強さを感じます。

久しぶりにほっこりできるお話しでした。
まさに重松節。

ぜひとも小学生の教科書に採用してほしい内容です。
posted by みづき at 23:09| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月20日

熱球

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新潮社より¥594で発売中

<あらすじ>
僕たちのマウンドは、僕たち自身の中にある。共感必至の長編! 人生に、コールドゲームはないのだから――。

甲子園に憧れていた。予選を勝ち進んだ。でも、決勝戦前夜の悲劇が僕と仲間たちの夢を断ち切った。二十年後、三十八歳になった僕は一人娘を連れて故郷に帰ってきた。仲間と再会した。忘れようとしていた悲劇と向き合った。懐かしいグラウンドでは、後輩たちが、あの頃の僕らと同じように白球を追っていた。僕も、もう一度、マウンドに立てるだろうか――。おとなの再出発を描く長編。

新潮社HPより引用)


甲子園が好きで、特に夏は毎年楽しみにしています。
残念ながら母校はへっぽこ野球部なので、甲子園なんて夢のまた夢です。
いつか級友たちとアルプスで再会するのが夢なのですが、まだ叶っていません(笑)

タイトルとは程遠く、キラキラした高校球児ものではありません。
かつて高校球児だったおじさんのお話しです。

とてもリアリティのある内容でした。
きっと甲子園を夢見る球児たちには、この手のドラマは絶対持っていると思います。
まぁ、本の内容は少し重かったですけれど。

青春っていうほど甘酸っぱくもなくて、過去に囚われて故郷から逃げている主人公。
40歳を目前にして、家族、仕事、親、故郷と真剣に向き合おうとしています。

最後のジンブーの弔辞に感動です。
posted by みづき at 20:47| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月15日

八日目の蝉

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中央公論新社より¥637で発売中

<あらすじ>
逃げて、逃げて、逃げのびたら、私はあなたの母になれるだろうか……。心ゆさぶるラストまで息もつがせぬ傑作長編。第二回中央公論文芸賞受賞作。
中央公論新社HPより引用)


ドラマと映画を先に観ましたが、強烈に印象に残っている作品です。
珍しく結末まで覚えているので、新鮮さはありませんでしたが、それでもハラハラしながら希和子と薫の逃亡劇を読んでいました。

大きく分けて2つの視点からの物語から成り立っています。
前半は希和子が不倫相手の乳児を誘拐して逃亡するお話。
後半はその誘拐された子が大きくなってからのお話。

希和子の視点で描かれている分、どうしても希和子を応援したくなります。
自分勝手だとは思いますが、立派に薫の母親であり続けました。
母性や母親とは何かということを問いかけています。

感動したというよりも、衝撃的でした。

女が強いというより、出てくる男がだらしなさすしぎます。

母親になってから読むとまた印象が変わるのかな?

小豆島というとこの作品を思いだすようにまでなってしまいました。
いつか行ってみたいと思いますが、作品に引きずられて暗い旅になってしまいそう・・・。
posted by みづき at 12:43| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月03日

王妃の館(下)

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集英社より¥669で発売中

<あらすじ>
涙と笑いの人生ツアー、ついに決着へ!
愛人と別れたうえリストラされたOL。人気作家とその担当編集者。心中を目論む老夫婦。カード詐欺師の夫婦…。ルイ14世の秘話を織り込んで、親子の愛が、夫婦の愛がホロリとさせる珍道中の物語。

集英社HPより引用)


ドタバタ喜劇の下巻。

裏表紙には、
ひと癖もふた癖もある「光」と「影」のツアーメンバーたちは、ドタバタ騒ぎとニアミスをくりかえしながらも、それぞれのパリの旅を楽しんでいた――かに思えたが、ついにツアーの二重売りがバレそうになって、さあ大変。さらに「王妃の館」に秘められた太陽王・ルイ十四世の愛の行方をからめて、物語は十七世紀と現代とを縦横無尽に駆けめぐる。思いっきり笑って泣いて、ついに感動の大団円。
とあります。

大団円。
まさにその一言に尽きると思います。

宝塚で出演者一同が手を取り合って大階段を下りてくるさまが目に浮かびます(笑)
宝塚で舞台化という意外性もあって、映画よりもそちらに興味を惹かれました。

それぞれのツアー参加者が絡み合って新たな作用をもたらしていました。

クレヨンが素敵なんだけど、終始私の頭の中にはクリス松村さんが(笑)

いろんな悩みや思いをを抱えなが旅をするからこそ、帰ったときに成長できるんだなぁと痛感させられました。
グルメだ買い物だと自己満足な旅をしている自分とは大違い。

読んでいるだけでパリを旅しているかのような気分になれました。

旅の非日常性とをうまくかけ合わせた作品でした。
posted by みづき at 19:54| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年03月21日

王妃の館(上)

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集英社より¥734で発売中

<あらすじ>
思いっきり笑えて泣ける、人情巨編!
150万円の贅沢三昧ツアーと、19万8千円の格安ツアー。対照的な二つのツアー客を、パリの超高級ホテルに同宿させる!? 倒産寸前の旅行会社が企てた、“料金二重取りツアー”のゆくえは…。

集英社HPより引用)


意外なことに初浅田作品でしょうか?
もはや記憶がありません。

裏表紙には、
パリはヴォージュ広場の片隅にたたずむ、ルイ十四世が寵姫のために建てたという「王妃の館」。今は、一見の客は決して泊めない、パリ随一の敷居の高さを誇る超高級ホテルとなっているこのシャトーに、なぜか二組のワケあり日本人ツアーが同宿することになった。しかも、倒産寸前の旅行代理店の策略で、客室を昼と夜とでダブル・ブッキングされて……。ぶっちぎりの笑いと涙満載の傑作人情巨編。
とあります。

映画化されたようで、帯には出演者と関係図が写真入りで紹介されていたので、たくさんのキャラがいますけど、想像しながら読めたのでわりと頭に入ってきやすかったです。

タイトルからしてお堅そうなお話しを想像しますが、中身は真逆でドタバタコメディ(笑)

〇〇〇くらぶのような自転車操業の旅行代理店が考え出した苦肉の策は、一つの部屋を二つのツアーで共有するダブルブッキングツアー。
けれど、一旦現金を集めたところで来月にはこのツアーの支払いが待っているので、結局この代理店がつぶれるのは時間の問題という点が一つ。
それに、ネガツアーもポジツアーもこの料金なら安いのでは?と、いきなり物語に水を差すような疑問を浮かべながら読み始めました。

でも、問題はツアー内容じゃなかった(笑)

それをはるかに凌駕する一癖も二癖もあるツアー参加者たち。
それに、ルイ14世の物語まで絡んできて、ドタバタさは上巻からMAXに。

唯一のまともなキャラは、ネガツアーの添乗員の戸川だけ。
なのに、役に立たない〜(笑)

映画もですが、宝塚でも演じられた演目と知って、宝塚デビューしたくなりました
posted by みづき at 17:50| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年03月05日

名もなき毒

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文芸春秋より¥918で発売中

第41回吉川英治文学賞受賞

<あらすじ>
世界は毒に満ちている。かくも無力な私たちの中にさえ

今多コンツェルン広報室に雇われたアルバイトの原田いずみは、質の悪いトラブルメーカーだった。解雇された彼女の連絡窓口となった杉村三郎は、経歴詐称とクレーマーぶりに振り回される。折しも街では無差別と思しき連続毒殺事件が注目を集めていた。人の心の陥穽を圧倒的な筆致で描く吉川英治文学賞受賞作。解説・杉江松恋

文芸春秋HPより引用)


宮部作品がここ最近多くなっていますが、読む順番を間違えました
こちらは、杉村三郎シリーズの2作目だそうです。
ストーリー自体に前作からの影響はほぼないので、問題なく読み進められました。

主人公の杉村三郎は大企業の娘との結婚で逆玉にのるも、まったく野心のない人畜無害な男。
人当たりも良くお人好しな主人公が周囲の事件に巻き込まれて行くお話。

以前にドラマ化され、小泉孝太郎さんが三郎役だったと聞き納得(笑)

三郎の職場で問題を起こすのが、アルバイトの原田いずみ。
ただ、こういう人いるよね〜。

毒は目に見えないからこそ、自分自身が侵されていても気付かないのかもしれません。
原田いずみだって、自分の振る舞いの原因が何かもわからず、衝動的な行動なんだと思います。

非常にリアリティのある作品で面白かったです。

取りあえず、第一作目から読んでみます。
posted by みづき at 22:02| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年03月02日

精霊の守り人

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新潮社より¥637で発売中

<あらすじ>
老練な女用心棒バルサは、新ヨゴ皇国の二ノ妃から皇子チャグムを託される。精霊の卵を宿した息子を疎み、父帝が差し向けてくる刺客や、異界の魔物から幼いチャグムを守るため、バルサは身体を張って戦い続ける。建国神話の秘密、先住民の伝承など文化人類学者らしい緻密な世界構築が評判を呼び、数多くの受賞歴を誇るロングセラーがついに文庫化。痛快で新しい冒険シリーズが今始まる。
新潮社HPより引用)


ついにこのシリーズに手を出してしまいました。

綾瀬はるかちゃん主演でドラマ化されるのは知っていたのですが、放送には間に合わず観れませんでした。
いつか再放送されることを願いつつ・・・。

ファンタジーものなのはあまり読まないのですが、これは作者が児童文学者ということもあり、非常に分かりやすく書かれていて大人でも楽しめる作品でした。
そもそもあとがきで子供向けに書かれたことを知りました。
それくらい違和感はなかったです。

いろんな国の名前や文化などは出てきますが、しっかりとした世界観が作られた中でのお話しなので、まったく展開もぶれず混乱なく最後まで楽しめました。

妙齢の女性が主人公というのも珍しいのかも。
用心棒としての強さを持ち合わせながら、繊細さや優しさもあり、無敵すぎないところがちょうどいいです。

バルサの成長が楽しみなので、もちろん2作目も読みます
が、積読本が多いので、いつになるのか分かりませんが。
posted by みづき at 11:45| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月20日

今夜は眠れない

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角川書店より¥562で発売中

<あらすじ>
家族の絆を僕が取り戻す!

中学一年でサッカー部の僕、両親は結婚15年目、ごく普通の平和な我が家に、謎の人物が5億もの財産を母さんに遺贈したことで、生活が一変。家族の絆を取り戻すため、僕は親友の島崎と、真相究明に乗り出す。

角川書店HPより引用)


まさに眠れないので、夜中に記事を書いています。

中学生とは思えないほど冷静沈着な男の子が、親友とともに巻き込まれた不可思議な事件を解決していく物語。

あらすじをよく読みもしないで読み始めたものですから、最初はいきなりもらった5億をめぐって巻き起こるトラブルものかと思いきや、行きついた先には思いもよらなかった結末が待っていました。
お金の話ではなく、家族のお話です。

スケールの大きさとは違って、サクッと読めてしまします。

大事な部分が省略されていたり都合よく展開していく辺りは物足りなさがありますが、謎解きものではなく読み物として味わえばいいのかと思います。

宝くじ当たらないかぁ?と常に思っていますが(笑)、急にまとまったお金が手元に入ってくる怖さを知りました。

お金と女は恐ろしいですね。
posted by みづき at 00:54| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月15日

舟を編む

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光文社より¥669で発売中

<あらすじ>
出版社の営業部員・馬締光也は、言葉への鋭いセンスを買われ、辞書編集部に引き抜かれた。新しい辞書『大渡海』の完成に向け、彼と編集部の面々の長い長い旅が始まる。定年間近のベテラン編集者。日本語研究に人生を捧げる老学者。辞書作りに情熱を持ち始める同僚たち。そして馬締がついに出会った運命の女性。不器用な人々の思いが胸を打つ本屋大賞受賞作!
光文社HPより引用)


映画が話題となってから数年。
ようやく原作を読むことができました。
ちなみに映画は観ていません。

じっくりと味わって読みたいので時間をかけて読むほうなのですが、面白すぎて3日で読破しました。
私にとって異例の速さなんです。

今まで辞書作りなんで考えたことなかったけど、言葉を説明するという作業の大変さや奥の深さがとても伝わりました。

言葉は生き物なんですね。

長い年月をかけ、とても気の遠くなる様な作業の積み重ねでようやく1冊の辞書が作られているということを知りました。

馬締くんみたいに、こんなに好きなことを仕事にして一生涯をかけてみたいものです。
羨ましい。

広辞苑の編纂現場を取材しているテレビ番組があり見ていましたが、まさにこの作品のモチーフとなった現場だそう。
描かれている世界観がそのままでした。

ハードカバーがまさに「大渡海」そのものの作りになっているのです、ハードカバーで読むのが1番なのですが、文庫には最後のページにおまけとして載せられているのが憎いです
知らなかったので、最後のページを見て「これが大渡海か〜。」と感心してしまいました。

やっぱり三浦しをん最高と思える作品でした。
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2017年02月12日

落下する夕方

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角川書店より¥605で発売中

<あらすじ>
別れた恋人の新しい恋人が、突然乗り込んできて、同居をはじめた。梨果にとって、いとおしいのは健悟なのに、彼は新しい恋人に会いにやってくる。新世代のスピリッツと空気感溢れる、リリカル・ストーリー。
角川書店HPより引用)


屍鬼のあとはサクッと読めるもので。
286ページと短めなので、すぐに読めてしまいました。

裏表紙には、
梨果と8年同棲していた健吾が突然家を出た。それと入れかわるように押しかけてきた健吾の新しい恋人・華子と暮らすはめになった梨果は、彼女の不思議な魅力に取りつかれていく。すると華子を追って健吾も梨果ののとへ来るようになり……。逃げることも、攻めることもできない奇妙な三角関係。そして愛しきることも、憎みきることもできないひとたち……。永遠に続く日常を、温かで切ない感性で描いた恋愛小説。
と、あります。

あらすじだけ読んでもわかるように、シチュエーションとは裏腹に(笑)、清らかな三角関係が描かれています。
奇妙なんだけど、全く違和感を感じません。
それが普通のことのように受け入れられてしまいます。

華子もとても魅力的。
振り回されたいという男性の気持ちもわからなくもないです(笑)

江國さんの描きだす世界観は少しずれているけど、それでも心地良いです。
posted by みづき at 12:43| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする